2024年10月07日

カスタム祭り1979

カスタム祭り1979
"MGC P210-5 Target Custom"

「秋のパン祭り」みたいに、実際の祭事ではなくセールやキャンペーンに「祭り」というキーワードを使うことはよくあります。
MGCでは「カスタム祭り」とか「CP祭り」とか独特な祭りがたくさんありました。
ただ、祭りではなく「ファイヤーセール」が一番お得で有名なセールだったかと記憶しています。

今回取り上げるのはP210-5ターゲットです。MGC創立20周年として多数の特別モデルが発売される中、際立っていたカスタムのひとつでした。

既製品のSP47/8をベースにロングバレル、バレルウェイト兼フロントサイト、アジャスタブルリアサイトを取り付けたものです。
「ターゲット」とモデル名に冠しているので、精密射撃カスタムといった感じでしょうか。

MGCの創作カスタムではなく、実物が存在するようです。

カスタム祭り1979
【参考画像】
ネットで見つけたSIG P210-5です。
MGCと同じシルバーフレームの個体は探しても見つかりませんでしたが、外観仕様はこのモデルに近く見えますね。

カスタム祭り1979

スライドとバレルの外観カスタム箇所以外は通常品のSP47/8と同様です。
フレームがニッケルシルバー仕上げになっていますが、非常に軽く、持ってみると、かなり見た目とのギャップに驚くかもしれません。
SP47/8が初のABS樹脂製モデルガンであったこともあり、まだ重量面までは設計時に考慮されていなかったと思います。
後のABS樹脂モデルガンはインナーシャーシーやグリップウェイトなど、重量を稼ぐ工夫が増えていきます。

カスタム祭り1979

1979年のMGC20周年カタログに掲載されているスペックによれば重量370グラムで定価25000円となっています。

このSIGターゲットカスタムの特徴はサイトがハンドメイドであることとフレームとスライドカバーをバフ仕上げにして磨き上げていることである。とくにフロントサイトは1インチ長い銃身につけられており、リアーサイトは完全可動式のカスタムである。


ナショナルマッチやPPCカスタムシリーズが2万円前後だったので、当時のMGCカスタムとしてP210-5の25000円は少し高めかな?という印象でした。
今考えると、削り出しのサイトや専用ロングバレル等、非常に手間が掛かっていることはわかるのですが、当時は欲しいリストの上位では無かったので、入手したのはかなり後になってからのことでした。
今でも出物があれば、かなり珍しい品かとは思いますが、それほど高騰している印象はありません。。

カスタム祭り1979

購入時はMGC特製のハードケースに入っていました。カスタムらしい高級感がありますね。
中古入手のためオリジナルかは不明ですが、同時期のカスタム製品であるウッズマンスポーツヘビーバレルも同じ感じのケースに入っていたのでオリジナルの可能性は高いかと思います。

カスタム祭り1979カスタム祭り1979

同時期発売のカスタムたち。なぜかモデル名が”220-5”となっていますが、単なる誤字だと思います。

この当時はシルバー仕上げ、というだけでもカスタム扱いになっていたようです。
ABS樹脂にニッケルメッキを施す技術は当時まだまだ発展途上で試行錯誤段階だったので通常品と同様に量産はされていませんでした。

この広告にあるリボルバーや32オートのメッキは少し発火しただけでも黒く変色してしまい、表面も剥がれてしまうという非常に脆弱なものでした。
改良が繰り返され、発火に耐えられる強度になったのはM59、GM4あたりだったと思います。
P210-5については発火を試してないので、どれくらいの強度なのかは分かりませんが、少し丈夫になり始めた頃かな?という印象です。

この時代のモデルガンは限定品だろうと、メッキだろうと、とりあえず発火して遊ぶのがほとんどだったと思うので、メーカーとしては「さわらず、ケースに入れて保管してください」みたいな製品にはできなかったという背景があったと思います。

当時は発火できないダミーカートモデル、みたいのはMGCではほとんど作っておらず、壊れやすかったり、調子が難しいモデルガンはMGCボンドショップの店員さんが毎回説明していたような気がします。
ファイアーセールの際に紙火薬仕様オートマグを買おうとしたら「火薬詰めるの難しいし、宣伝文句みたいに6センチも銃口は跳ね上がりませんよ」と言われ、結局他のモデルを買った記憶があります。
当時の店員さんたちは非常に正直に丁寧に接客していたことがわかりますね。

ちなみにMGC末期の頃にガバメント系やM92系にはチャンバーブッシュやMGC製ダミーカートなどがオプション設定され、スーパーリアルヘビーウェイト製では最初からダミー仕様としてファイアリングピンがカットされていたりしました。

おそらく90年代にはモデルガンは発火派より鑑賞派の方が多くなっていったのではないでしょうか。

MGC SP47/8はHW樹脂製でCPカートリッジ仕様に変更された際にP210(標準版)に製品名も変わりました。MGC解散後はクラフトアップル(CAW)に金型が引き継がれ、現在も断続的にリバイバル生産されています。スライド全面のバレル開口部の形状も見直され、バージョンアップを遂げています。ただP210-5ターゲットは製品化されたことがないので、あまり売れそうもない、と判断されているのかも。。

** MGCMC BONDCHOP
http://mgcmc.blue.coocan.jp/




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