2025年04月23日

サービス洗脳 MGCパイソン

サービス洗脳 MGCパイソン
"MGC Combat Python Custom"

MGCのABS樹脂製モデルガン、ニューパイソンをベースとした外装カスタムのコンバットパイソンです。

パイソン2.5インチと4インチの間に位置する3インチのパイソン。
近い銃身長のモデルがありながら、独特な存在感があります。

パイソン3インチ=コンバットパイソン、だと勝手に思い込んでいたのですが、洋書や海外サイトなどで調べてみたところ、1980年あたりから普通のパイソンのバリエーションとして3インチは存在したようです。
カタログ初掲載は1983年、「コンバットパイソン」という製品は1980年代後半に登場したとのこと。

MGCニューパイソンは1970年代の製品なので、取材時には3インチが存在しないわけで、当然製品化もされませんでした。

サービス洗脳 MGCパイソン

のちにコクサイやタナカからコンバットパイソンが発売されることになりますが、この個体はそれ以前の製品でMGCをベースにコンバットパイソンに仕立てたカスタムとなります。

おそらく当時発売されていたエアソフトガンのプラ製アウターバレルを流用していると思われます。

MGCがパイソン3インチを製品化しなかったのはなぜでしょうか?
「モデルガンブーム後だったから製品化しなかった」と何となく考えたのですが、、

実はMGCパイソンはヘビーウェイト樹脂製(HW)、さらにスーパーリアルヘビーウェイト(SRHW)で再販するほどの人気モデルでした。
それはモデルガンブーム後の時代だったのです。

同じ時代にMGC M586は初期には存在しなかった3種もの3インチ(ノーマル、キャリーコンプ、マグナポート付きキャリーコンプ)をラインナップ追加したのでした。

こういった当時の状況を考えるとコンバットパイソンが発売されなかったのは他の理由があったのだと思います。。

サービス洗脳 MGCパイソン

画像だと一見ヘビーウェイトに見えるような艶消し仕上げ。
しかし、ABS製だと一目でわかるのが旧書体のSPGマークです。

この書体のSPGマークの登場初期はハンマースタッドピン(モールド)付近に存在しましたが、この個体は左下にあります。
これはオーバーサイズグリップの場合に隠れるような工夫と思われます。

サービスサイズのグリップを装着して、はじめて現われるというユニークな刻印ですね。

サービス洗脳 MGCパイソン

そもそも、MGCニューパイソンはメーカーとしてオーバーサイズグリップのみを想定した設計だったようです。
よって、メーカーではオーバーサイズのオプション木製グリップはアクセサリーとして存在しましたが、サービスサイズはありませんでした。

販売部門がニューMGCとして独立した頃、刑事ドラマ「もっとあぶない刑事」でユージ(柴田恭兵)がMGCパイソン2.5インチを使用。
このプロップガンに装着されていたサービスサイズグリップは非常に注目を集めました。

当時、「あぶない刑事」のガンエフェクトを手掛けるビッグショットのプロップガンを多く手掛けていた旭工房。
その旭工房がニューMGCへの持ち込み企画として商品化されたのが「MGCパイソンに無加工装着可能なサービスサイズ木製グリップ」だったのでした。

そんな経緯から、サービスサイズグリップはメーカーとしてのMGCではなく、あくまで「ニューMGCの製品」という形で発売されました。

かなり発売初期は試行錯誤があったようで、だいぶ異なる仕様が確認できます。
スムーズ、ニューMGC店舗オリジナルの粗目チェッカー、コルト純正タイプの細目チェッカーがあります。
木材もウォールナット、ローズウッドの他、判別不能の木材もありました。

当時、ニューMGCに通い詰めていた私はちょくちょく買っては色々試していました。
なんとなくですが、追加生産されるたびに洗練されて良くなっていったような記憶があります。

画像のグリップたちは、そんな感じで手元に残ったものです。

白いグリップはキャスト製で変形しやすく、本体に取り付けて保管しておかないと二度と取り付けられなくなったりするので注意が必要です。
ニューMGC製カスタムのパイソン改オフィシャルポリスに装着されていた他、単品販売もありました。

サービス洗脳 MGCパイソン

私がMGCパイソン+サービスサイズグリップ、という組み合わせに衝撃を受けたのは、実はユージが最初ではありません。。
それよりも数年前。月刊Gun誌のトビー門口氏による記事がキッカケでした。

画像の右上。特に説明があるわけでもないので詳細仕様は不明。。
それでも、その隠しきれない存在感のサービスサイズグリップは子供の頃の私を見事に洗脳したのです。

今となってはどんな仕様なのか、グリップウェイトは加工されているのか等々を確かめる術はありませんが、私の「サービスサイズ脳」の原点はここにあります。

ニューMGCからグリップが発売されて、何度も買い直してる時に、どこかでこのグリップを追い求めていたような気がします。
あまりにピンポイントな話なので共感する方はほとんどいないかもしれませんが。。

子供時代に渋谷のMGCに行き、金属パイソンのプラ製サービスサイズグリップをパーツで買おうとしました。
そこで店員さんに「プラのパイソンには付かないからね」と念を押され、勇気が無く買えずじまい。
Gun誌の広告に載ってた関西ショップのMGCパイソン・サービスサイズカスタム(おそらく金属パイソンのグリップを大加工で取り付けてあった感じ)を羨ましく見ていただけでした。。

ちなみに「サービスサイズグリップ」は、その昔「マグナグリップ」と言っていたような気がします。
実際にどの表記が正しいのかは知らないのですが、「サービスサイズ」で多くの方には通じるのではないかと思ってます。


** MGCMC BONDCHOP
http://mgcmc.blue.coocan.jp/




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