2024年09月04日

モデルガンって何だっけ


モデルガンって何だっけ

"WA M59 Combat Custom"

「モデルガン大図鑑」という、だいぶ昔のムック本を引っ張り出してきました。
表紙にWAのM59カスタムが載っていたので、ほぼ同仕様の個体を並べてみました。
なぜ「ほぼ」同仕様なのかというと、実はこの個体は中古パーツを集めて組み上げたもので、完成品として入手したものではないからです。
確か最初はフレームから始まって、1丁分のパーツを集めるのに数年間を要するという気の遠くなるような労力を投じた記憶があります。

ノーマルM59ならまだしも、レアなWAカスタムなので。。とは言え、地道に探しているとパーツがポツポツと見つかっていくのが楽しかったです。
現在のモデルガン流通量の数十倍規模だった頃に販売されていた製品なので、カスタムも想像するよりかなりの生産量があったことが伺えます。
当時は高価なカスタムでも発火するのが当たり前だったので、交換や廃棄などによって部品流通も多かったと推測できます。


モデルガンって何だっけ


モデルガン大図鑑。この本は1982年に双葉社が発行したモデルガンに特化した本…ではなく、内容はエアライフル(本物)やエアソフトガンも取り上げている、当時としてはちょっと風変わりな内容の本でした。

前半はWAの現行品の宣伝、国本社長の海外シューティング記事なのですが後半は唐突にエアガンや競技の記事が中心になります。

「おい!!モデルガンじゃないじゃん!!」と当時の読者のツッコミが入ったであろうことは容易に想像できます。

発刊当時、エアソフトガンはまだまだ発展途上でブームが起きる前でした。
トイガン市場としてはモデルガンがほぼ全てを占めていて、エアソフトガンはモデルガン専門店では売っていない、あるいは扱っていても小規模という感じ。
どちらかというと一般の玩具店(おもちゃ屋)の商品という色合いも強く、モデルガンメーカーでは一切生産しておらず、タカトクやマスダヤといった一般の玩具メーカーが中心でした。
そのため、リアルなものは存在せず、当時のモデルガンマニアからはあまり支持されていなかったと思います。


モデルガンって何だっけ


「モデルガン大図鑑」なのに背表紙の広告はエアソフトガン。
この雑誌が本当は何を取り上げたかったのか、今読むと何となく分かる気がします。

おそらく出版側はエアライフル競技に携わっている、あるいは啓蒙する目的があって企画したのではないかなーと思います。
ただ、当時はモデルガン全盛であったこと、主な広告主としてウェスタンアームズが入ったことから、営業的に「モデルガン」を前面に出す必要があったと勝手に推測します。
出版社内でも編集と営業と経営では立場とか主張が違うでしょうから、なんかチグハグな感じを残しつつも出版にこぎつけたのかな、とか妄想します。

モデルガン紹介⇒WA社長の実銃シューティング⇒エアソフトガン紹介⇒エアライフル狩猟⇒エアライフル紹介⇒ライフル射撃協会へ入ろう

とギリギリ自然?な形で記事は並べられています。大人になってから感じる「大人の事情」ってものですかね。。

ウェスタンアームズがモデルガン専門メーカーでマグナブローバックの姿も形も無い時代の話でした。

◆◆◆

昔からニュースで「モデルガンを持った男が」とか「モデルガンのようなもの」とかよく聞くフレーズではありますね。
以前はイライラしてましたが、今ではヤレヤレという、どうしようもない気持ちになるようになってきました。

多かれ少なかれ、旧来のモデルガン愛好家の方々をイラつかせてきたこの問題。なぜそう思うのか、ついでに考えてみました。

以前、ホームページ版で用語集(http://mgcmc.blue.coocan.jp/dic.html)を作った時に感じたことなのですが、気づいたことがあります。

遊戯銃を指す言葉で「モデルガン」以上にしっくりくる言葉が無いのですよ。

有名な話ですが「モデルガン」というのはMGCの造語です。今では辞書にも載っているすごい言葉です。
辞書にはしっかりと「弾丸を発射する機能を持たない、模型の銃」と書かれているにも関わらず、エアソフトガンを使った事件でもNHKですら「モデルガンを持った犯人が。。」と言うのです。
そして情報番組でコメンテーターが「危険なモデルガンは排除しないと」などとあおったりするのですね。

「モデルガン」という言葉は一般市民でもこんなイメージなのではないでしょうか。

"ホンモノそっくりの銃型の模型"

おそらく弾が出る、とか出ないとかは気にしてないが、なんとなくBB弾は出る気がする、
という感じでエアソフトガンとモデルガンを混同している方は多いと思います。
昔、漫画「パーマン」で2号がモデルガンと称する本物ソックリのオモチャを持っていて、1号がいいなーと羨ましがるが、それもBB弾みたいのが出ていた描写があった記憶があります。(うろ覚えですが)
確か作者の藤子F先生はCMCピーメをこよなく愛した年季の入ったガンマニアだったはず(他作品の「ドラえもん」「エスパー魔美」等で詳しいモデルガン描写あり)なので、分かりやすく子供向けにあえて「モデルガン」というセリフにしたか、編集者にそのような意図でセリフを修正されたと勝手に思ってます。

そこで、、

①「遊戯銃を持った犯人が」
②「エアソフトガンを持った犯人が」
③「トイガンを持った犯人が」
④「おもちゃの銃を持った犯人が」
⑤「銃のようなものを持った犯人が」
⑥「エアガンを持った犯人が」
⑦「モデルガンを持った犯人が」

もし、エアソフトガンを脅しに使った事件が発生したとします。
銃に詳しくない一般視聴者にもっとも「本物ではない銃のようなものを使って事件を起こした」と伝わりやすいはどれでしょうか。
おそらく報道としては事件の概要の他、「使われたのは本物の銃じゃない」と伝えることも重要です。
もし本物を使用されたら警戒レベルも全く異なるわけで。。
そして、まだ犯人が逃げているなら「一般人には見分けづらいけど、それは本物じゃないからね」という注意と安心も与えたいかもしれません。
テレビ報道なら数秒間で誰にでも伝わるニュース原稿にする必要があるのでしょう。

なのでニュース原稿や報道記事を作る人が安易に⑦を使おうとする気持ちはわからないでもないですが、明らかに誤りなので訂正してほしいですよね。
このような報道がある度にモデルガン愛好家たちは肩身の狭い思いをしてきたのです。
私も子供の頃、こうしたニュースがあると家族や友人に趣味を否定されることはよくありました。
ただ、モデルガンも銃のカタチをしている以上、なんか理解されないのも分かるので、ずっと流してきてますが。。。

今更、何か変わることは無さそう、とあきらめています。

ただ、やはり何といってもすごいのは「モデルガン」という言葉を作って普及させたMGCです。
ひたすら偉大ですよね。。


** MGCMC BONDCHOP
http://mgcmc.blue.coocan.jp/




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Posted by MGCMC at 18:59│Comments(2)WA
この記事へのコメント
>のりゆきさん
ガスブローバックが流行しだしたのは、結構あとのことだったのですね。
私も買ったことがありましたが、的に当てるセンスも無くモデルガンに戻りました。
銃関連のニュースがあると、趣味の愛好家が全て犯罪予備軍みたいな扱いもされるので、外ではなるべく言わないようにしてます。
バイク=暴走族、アニメ=性犯罪みたいな偏見も根強い気がします。
なのできっと、自分が知らない趣味の世界のことも偏見で見てるかも、と気を付けるようにはしてますが。。
Posted by MGCMCMGCMC at 2024年09月05日 09:52
お世話になっております。のりゆきです

モデルガンからエアガンで転機になったのは、
やはり94年発表のWA製【ベレッタM92F】かと思います。
確か当時、所ジョージ氏が絶賛してましたね。

そのちょっと前にMGCがガス・ブロで
【グロック】を発売しましたが、ポートが塞がった状態での
ホールドOP外見が、イマイチでしたが
WAベレッタは見た目もそれなりでハンマーも可動。
モデルガン派の私も【的に当てる】事に
熱中してた時期がありました。
今では【カートリッジも含めてモデルガン好き】
という事もあり以前ほど、熱はありませんが。

真性銃、モデルガンに関わらず、
【銃関連の事件】があると家族の目は冷ややかですね。
退職後、自宅1室で「同趣同好の方が集まる
サロンをやりたい」と以前相談しましたが猛反対されました。
Posted by のりゆき at 2024年09月04日 20:59
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