2024年10月25日
スウェンソン・スミスウェッソン・スマイソン

"GM2 Combat Custom"
・スウェンソン
・スミスウェッソン
・スマイソン
なんかまぎらわしい単語ですが、続けて読むと五七五みたいに語呂が良いですね。
ガン関連の趣味をある方はどれも何となく聞いたことがある言葉かと思います。
モデルガンに興味を持った子供の頃、1980年代前半ですが、まだまだGun用語に慣れていませんでした。
なんとなく似ている用語でも全く違う意味になるので、覚えるのも大変でした。
当時はモデルガンブームが盛り上がっていることもあって、周りの友人たちも詳しくなってきていて、かなり専門的な用語まで日常会話で使われていたのが懐かしいです。
「エジェクター」「エキストラクター」という近からず遠からずの用語もあれば、「M29」「44マグナム」のように同じ意味で使われたり、「サプレッサー」「サイレンサー」みたいな今でも正解を分かってない用語もあったりしますね。
今回取り上げるのは「スウェンソン」です。
まず思いつくのが「スウェンソン・ダブル・セフティ」です。M1911系.45オートのコンバットカスタムが流行し始めた1970年代から、多くのカスタムガンに搭載されているヒット商品です。
よって「スウェンソン」は「スミスウェッソン(S&W)」「スマイソン」に比べると知名度は少し下がると思いますが、ガバメント系カスタムの世界ではメジャーなのだと思います。
カスタムパーツの他、「スウェンソン」の名を冠したM1911系コンバットカスタムも製作・販売しています。
オリジナルブランドのカスタムやパーツも作っているチューニングメーカーといったところでしょうか。
日本でその名前が有名になったのはMGCモデルガン、ABS樹脂製ニューガバメントGM5(1981年)のオプションパーツとして登場してからだと思います。
GM5ベースのWAコマンダーカスタム(1983年)が登場した際にステンレス製のアンビセフティが標準装備され、MGCからも亜鉛金属製パーツとして発売されました。WA、MGCともに小さく"Swenson"の刻印が入っていることから、スウェンソン製パーツをモデルアップしたことが分かります。
この頃にはカタログ・広告・記事でも普通に「スウェンソン」という表記が用いられるようになりました。
今回取り上げる旧ガバメントGM2のコンバットカスタム(1975年)にもちょっとデフォルメした感じはありますが、スウェンソン風のアンビセフティが既に採用されていました。
GM2パーツの時代に「スウェンソン」という名前は一切出てきません。MGCカスタムガンワークス(MCW)によるGM4ナショナルマッチのコンバットカスタム(チャンピオングレード等)にはセフティにはスウェンソン風の小さな文字の刻印が入っているものがありますが、それも"Swenson"とは書かれていませんでした。
ただ、形状や構造などから、スウェンソンのパーツを模して作られたと考えるのが妥当かと思います。
最近、1911ピストルのコンバットカスタム系が多く載っている洋書を見ていたところ、「なんかGM2カスタムで似ているのがあるな」と思って、今回のテーマにしてみました。

前述のとおり、スウェンソンは自社ブランドのカスタムガンも製作していました。
同時期にはWA国本社長の愛銃で有名な「ホーグ」、ラバーグリップでお馴染みの「パックマイヤー」あたりも専門誌で取り上げられたり、モデルガンとして製品化されているのでご記憶の方も多いかと思います。
1970年代に代表されるコンバットカスタムは後の競技専用のカスタム(レースガン)よりもクラシカルというか実戦的な仕様が多く見受けられます。
コンペンセイターやダットサイトなどは付いておらず、コルト純正のガバメントやナショナルマッチをベースとして、数点のパーツ交換と、あとは見た目には分かりづらい内部チューンが中心のようです。
必須といえるカスタマイズはサイト周りで、大き目のフロントサイト、調整式のリアサイトに交換されているものが多いです。
その中でもスウェンソンはS&W社リボルバーのリアサイト(通称:Kサイト)に交換されている個体が多く、ホーグはボーマーサイトに交換が多く見られます。
この違いが見た目の印象にも表れ、MGCでいち早く登場したGM2のコンバットカスタムはスウェンソン系、その豪華版であるWAのGM2コンバットカスタムはホーグ系といった感じにスタイルが既に確立していました。
よって、なんとなくですが海外の記事などを見ても、
・スウェンソンのカスタムはKサイト
・ホーグのカスタムはボーマーサイト
という感じが多い印象なので、MGCとWAのGM2カスタムそのままの分類となっているのが面白いです。

当時のトレンドとして、スクエアトリガーガードがあります。両手保持を基本とする射撃姿勢において、人差し指をトリガーガード前に置き、安定性を高めるためです。
多くのスクエアトリガーガードは全面にチェッカリング等の滑り止め加工が追加されています。
アンビセフティはウィークハンド(ガバメントの場合、左手)での射撃時のためのパーツとなりますが、当時は片側のみのノーマルセフティの指乗せ部分を延長したタイプも多く見られます。
スライドストップも指乗せ部分を延長する、いわゆる「ロングスライドストップ」となっていることが多いですが、競技ではホールドオープンさせず、残弾をチャンバーに残してマガジンチェンジする、という形が主流で、必須パーツではないようです。
参考にした洋書では数多くのコンバットカスタムが掲載されていますが、ほとんどロングスライドストップは採用されていません。ただ、MGCやBWCでお馴染みの「ホーグ・ロングスライド」では付いているのを確認しました。
GM2カスタムにおいてMGCとWAでなぜかデザインの違うロングスライドストップが装着されていて、最近まで謎だったのですが、これは参考にした実物パーツの形状違いに由来しているのだと推測しています。
MGCは「軸を太くした(耐久性向上のため?)パックマイヤータイプ」、WAは「指乗せ部分のみ延長したホーグタイプ」が実物の中では形状が近いように見えます。
もともと当時のガバメント系モデルガンはスライドストップ軸が太くなっているものがほとんどなので、MGCタイプはたまたま「カスタマイズのために軸を太くした実物カスタム」と同じ体になっているのが面白いところですね。
ちなみにどちらからでも操作できる「ダブル・スライドストップ」というパーツは実在するようですが、コンバットカスタムで装着している例は見たことがありません。

このGM2カスタムはMGC製のコンバットカスタムですが、フレームのハウジングピン部分の破損により、後期のWAカスタムの物に換装しています。なので、スライドとフレームの色目がちょっと異なります。。
あとはハンマーは入手時は黒のリングハンマーでしたが、後でシルバーに換えたような感じがします。
これにより、たまたま手持ちの洋書のスウェンソンカスタムに雰囲気が近くなり、今回のテーマに繋がりました。
コンバットカスタムはコマンダー型のリングハンマーに換装されているカスタムが多い気がしますね。
チューニング効果があるのかは分かりませんが、カスタムでガバメント型のスパーハンマーも存在するので、好みの世界なのかもしれません。
シングルアクションでデコッキング機能も無いM1911系において、ハンマーをコックする場面はあまり無い気がしますし。。
モデルガンで手を添えながらハンマーダウンすることは良くあると思いますが、それは本物で絶対やってはいけない、という記事を昔に読んだ記憶があります(たぶんチャンバーに装填されている状態で、という意味と思いますが)。
とは言えデホーンドハンマーというのも、あまり見ないので、ハンマーというのは形状や質量という部分で何らか性能に寄与するのかもしれません。
また、グリップセフティも動きを固定する、というカスタムと、セフティ機能を残したまま、というカスタムが混在しているので、このあたりも好みなのかもしれません。
実戦を考えるとあった方が良いのか?無い方が良いのか?みたいな議論もあるのかな、と思います。
暴発の危険性と、少しでも早く撃つ、ということを両立するのか、片方を優先するのか、という考え方で違いような気もします。
グリップに関しては、それこそ好みがあるのかな、という感じで装着されているものはバラバラな感じがします。
フルチェッカーかスムースか、ゴムか木か、みたいなところもありますが、中にはこのカスタムのようにアイボリー調だったりパール調だったりもあるようです。
グリップもシューティング時にはガッチリとホールドしてほしい場面と、ドロー時に適度に滑ってほしい場面もあるかと思うので、難しいと思います。
なお、グリップフレーム前部にチェッカリングなどの滑り止め加工をするのが多いですが、まれにトリガーガード下など様々な場所にまでチェッカリングを施してある個体もあるようです。
どこまでが機能として必要で、どこからが見た目のみの装飾なのかはわかりませんが、カスタムは本当にいろんな仕様がありますね。
タカカスタムそっくりの仕様も見かけたりしますし。。

今回、GM2カスタムでも古い方のタイプを出してきたのですが、改めて見てみると実物(当時のコンバットカスタム)を非常によく取材して製品化していることがわかりました。
MGCはコンバットカスタムを製品化するにあたり、当時既にアメリカで活躍していた国本氏の協力もあったのですかね?
メーカー純正品でないカスタムメイドとなると、ワンオフのものも多く、取材するにも知識や流行も把握する必要があったと思います。
下手をすると運悪くトレンドから外れたヘンテコな一品物に当たってしまい、それを製品化してしまう可能性もあったはずです。
約50年前、今ほど情報も無い中で、カッコいいカスタムを製品化したことに感動しますし、尊敬します。


【参考画像】ネットで見つけた海外のスウェンソンカスタム
今回、洋書のスウェンソンに関する記事を参考にしたのですが、ついでにネット上でスウェンソンカスタムを探してみました。
製作時期は不明ですが、いかにもスウェンソンカスタム!という仕様になってます。
Kサイトにスクエアガード、定番のアンビセフティ、、という感じですが、なんか既視感があります。。
そうです。これ、実物なのですがMGCのGM5系カスタムにすごいよく似てるんですよね。
注釈をつけないと、GM5と間違えられてしまうかも??
細部を見れば、実物っぽいことがよくわかるのですが。
おそらくシルバーの色目とグリップの色目と質感が「ホーグ・ナショナルマッチ・シルバー」に似ているのだと思います。
確か、MGCのホーグカスタム(量産型)は海外の実物グリップメーカーに発注していたので、そのあたりも似ている要素なのかもしれません。
ちなみにGM5系のMGCメーカー純正カスタムでもスウェンソンカスタムは存在します。
私は日比谷シティか後楽園ホールのイベントでMGC版のGM5センターが発売された際にイベント限定カスタムとしてスウェンソンカスタムを購入しました。
最初のセンターブリーチで白いファイアリングピンの奴で、スウェンソンカスタムの名にふさわしく、M586用のKサイトが加工されて装着されていました。スライドトップはハンドメイドの反射防止加工がしてあって、スライドには"Swenson"の刻印が入っていました。フレームは初期のニッケルメッキですこし黄色みがあって、チェッカリングもハンドメイドで、後の量産ピンガン等とは少し違う、独特の手作り感のあったカスタムでした。
かなり発火しまくって酷使しまくりながらも長年大切にしていたのですが、、、いつの間にか行方不明になってしまいました。ひょっとしたらいつの間にか手放してしまったのかな。。
見つかったら、いずれここで取り上げます。
スウェンソンカスタム、現在でもカッコいいと思ってますが、ホーグ系よりマイナーな感じですかね。
パーツを寄せ集めて自作カスタムを仕立てるのも良いかもしれませんね。
** MGCMC BONDCHOP
http://mgcmc.blue.coocan.jp/
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